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目的

この会社は 15 年にわたる様々なチャレンジと失敗の上に、これから新しい体制に移行しようとしています。それはけっして以前の事業部制であったり、創業時の無秩序な状態に戻るわけではありません。そしてより重要なのは、体制を変えることは目的でなく、それは会社変革のための手段ということです。変えたいのは会社のカルチャー、そしてみなさんのマインドです。

予算、納期といったプロジェクト型のマネジメント手法が多くの企業で採用されています。それは基本的に失敗が許されず、決まった期間に決まった仕事をすることが重要な場合に有効です。これから私たちが目指すのは、プロジェクトでなく、プロダクトにフォーカスすることです。プロダクトで重要な指標は、顧客であり、世の中に対するインパクトです。そして失敗しないことより、リスクをとって早くリリースすること、そして失敗したらいかに早くリカバリーできるかを重要と考えます。

プロジェクトで重要とされてた短期的な指標は一度脇に置いておき、プロダクトで重要であると考える顧客にフォーカスした指標を新たに決め、それを会社の成功指標としていきたいと思います。

カルチャーとマインド

「プロダクトにフォーカスしよう」という大きな考え方は理解してもらえると思っていますが、それでは具体的にどのようなカルチャーやマインドになってほしいのか、みなさんが当然気にするところだと思います。

根底にあるのは、信頼です。みなさんが仕事にやりがいを持ち、高い収入を得て、困っている人がいればみんなで助け、迷ったら誰か気軽に相談できる、そんな職場環境が最高だと考えています。そして最高の環境でこそ、人は最大の能力を発揮できると信じています。そのためには、会社がみなさんを信頼し、自由と裁量を与え、様々な情報にアクセスしやすくすることがとても重要だと考えています。

みなさんもその信頼に応えるため、「自分の行動はミッション達成につながっているのか?」「何が一番会社の利益になるのか?」といった考え方を元に、日々の意思決定をしてもらいたいと思います。

ミッション

プロジェクト型マネジメントでは、誰かが(経営者や顧客が)予算や納期を決めることで「計画」が決まり、チームのメンバーはその計画に従って行動することが求められます。まず計画がありきなので、そこに必要な人材をアサインしています。足りなければ人を増やすか、計画を見直します。会社が大きくなるにつれ、私たちもそうしたやり方をしてきました。しかしこれからはそれが逆になります。まずミッションがあり、それを達成するのがこの会社の存在意義です。今いるメンバーで、どうすればミッションを達成できるかを考えましょう。

「クラウドで人々をもっとクリエイティブに」。これが会社のミッションであり、究極的にはこれを達成するためにこの会社は存在しています。このミッションを解説するとこういうことです。

「クラウド上にデータを保管し共有することで、コラボレーションが促進され、新たなクリエイティブが生まれます。一方、多くのクリエイターが日々増加するデータの扱いに苦労していることを私たちは知っています。彼らの労力やリスクを少しでも軽減し、そして利益を増やすために、私たちは使い易くて簡単で、安全なクラウドサービスを作り続けたいと考えています。」

会社全体のミッションでは概念として大きすぎ、個々の業務まで落とし込むときには、プロダクト別にもう少し分解したミッションが必要だと感じています。そのミッションはこれから作っていきます。

「ここからここまでの仕事をいつまでに終わらせてください」という指示で働くのではなく、「どうすれば自分がこのミッションの達成に貢献できるだろうか?」ということを一人一人が考えて欲しいと思っています。

組織

意識をプロダクトと顧客に集中したいので、組織はできるだけシンプルにしたいと考えてます。

ひとつ大きく変わる点としては、全員プレイヤー制にします。

私たちはテックカンパニーであり、社員全員がクリエイターであるというマインドを持ってください。いまはエンジニア、セールスなど役割分担がありますが、究極的には全員クリエイターであり、セグメント化された役割はなくしたいと考えています。

ベンチャー企業というのは、飛行機から落下しながらパラシュートを作ってるようなものです。そこに計画だけ立てたり、指示だけしている人は必要ありません。

全員がプロダクト、つまりものづくりのために手を動かし、どうしたらもっと良い製品が作れるかに全力を尽くしてほしいと考えています。たとえば、役職や肩書きよる優越感や自尊心の維持は、これとは違う動機を生み出す可能性があり、無い方がよいと考えています。

今後は、ミッションを実現するために人が必要と考えたらその能力のある人を採用するべきだし、逆に足を引っ張るような人は辞めてもらわねばなりません。

ガイドライン

これまでの理念や考え方は理解出来たとしても、日々の行動に落とし込むには、私たちが参考にすべきガイドラインが必要と考えています。立派な思想体系を構築するのと、それを日々実践することは、全く別の話です。そこで、そういう場合に業務の意思決定を判断するときのガイドラインを考えました。

これらの中には、我々の過去の経験から学んだプラクティスに加え、アジャイルやスクラムから援用したもの、Netflix や Spotify から直接間接的に拝借したもの、ティール組織論からヒントを得たものなど様々なものがあります。これをベースに、私たちに合うものを考え、時には組み合わせたり改良したりして、ガイドライン自体も改善していきたいと思います。したがってこのガイドラインは永遠に未完成で永遠に改良を続けます。

  • 顧客視点を持とう

    • お客様とのミーティングに積極的に参加したり、直接仕事のやり方を聞いたり、業界について調べたり、使い方を計測したり様々なことができるはずです。チーム内で、その人が得意な方向で分担してもかまいません。
  • 素直になろう

    • 信頼関係を作るためにはいいたいことは何でも素直に言える環境が必要です。
    • 否定的な意見でも、その人の成長に必要だと考えたら伝えましょう。ただし言い方は気をつけましょう。
    • 本人の前で言えないことは陰でも言わないようにしましょう。
  • 他人のせいにしない

    • 「これはもう退職した○○さんがやったことなので、私は知りません」こうした発言をたまに耳にします。そう思いたくなるのは仕方ないし気持ちもわかりますが、それは現状の問題解決をお願いしている立場からすると、とても無責任な発言に聞こえます。
    • 会社のことはすべて「自分ごと」と考えましょう。
  • ピンチはチャンスに

    • 悪い知らせほど早く(チーム内で共有)報告することによって、リカバリーが出来たり時には逆提案できることもあります。ピンチをチャンスと捉える、発想の転換力も必要です。
  • 情報はオープンに、アクセスは自由に

    • 自由と責任モデルで個人が最良の判断を下すには、あらゆる情報にアクセスできることが大事です。したがって、個人情報等の一部の情報は除き、誰もが会社のあるゆる情報にアクセスできる状態にしたいと思います。その上で、実際に見るか見ないかは個人が判断するべきだと思います。他のことを知ると気になってしまうので知らないでおこう、というのも自由です。ただし、業務上当然知っておかねばならない情報にアクセスしないことは、逆にとても無責任な行動であるということにも注意を払う必要があります。
    • とはいえ、ベンチャー企業での多くの判断は、情報が十分にない中で行われることもまた真実です。したがって、すべての情報がきちんとそろっていなければ判断が下せない人は、これからの働き方には向いてないかもしれません。曖昧であること、不確定であることを許容するだけでなく、楽しむことが出来ない人は、決められた仕事をプロジェクト型で遂行する方が向いていると思います。つまりこれからの私たちの組織には不要です。
    • 広く情報を共有するのは信頼に基づいています。故意か過失かに関わらず、個人情報や機密情報を社外に漏洩しないようにしましょう。
  • 最も速く学んだ者が勝つ

    • 裁量と広範な情報へのアクセスを許可している理由は、スピードです。最新の技術を早く学び、お客様のニーズをいち早く把握することで、素早いリリースと学習・改善を繰り返すことができ、プロダクトの商品力がより高まると信じています。
  • 説明は記述的に

    • 箇条書きのプレゼン資料は参加していないと誤解を生みやすいです。この文書のように、説明的な文章にしたほうが、意図は伝わりやすいのではないかと考えます。
    • 社内で情報を共有する際は、記述的にすることを意識しましょう。
  • 担当以外の仕事も積極的に

    • ミッション達成のため、会社全体の利益のために必要だと判断したならば、担当以外の仕事も積極的に取り組んでください。
    • また、例えばある人に一時的に業務が集中し、その人だけでは大変な場合は、全員で手伝いましょう。
  • 自分で調べることが大事。ネットに書いてあることがすべてではない

    • ネットに書いてあることが真実を含めすべてではありません。まずは自分で検証することが大事です。ネットに記載されている情報を鵜呑みにせず、何が真実かをきちんと自ら探し出し、調べる力を養いましょう。
  • 技術的選択肢は少ないほうが速く進める

    • 自由に開発できるといっても世界中にある何千という言語やフレームワークをチームでバラバラに採用していては開発スピードはあがりません。ある程度技術的選択肢は少ないほうが速く進めます。迷ったらスピードを優先しましょう。

最低限かつ最小限のルール

自由と責任モデルが確立されていけば、原則としてルールというものはなくてもよくなるはずです。ただし、どんな場合でも、それを破れば組織が崩壊し、個人で取れる責任の範囲を超えるまでの自由は与えられません。そのため、最低限のルールは必要だと思っています。同時にそれは最小限であるべきです。最低限かつ最小限のルールとは、下記です。

  • 会社の利益を第一に考えない

    • (例)会社全体の利益を考えず、これは自分の仕事じゃないからやらないという態度
  • ミッションに従って行動しない

  • 会社の財産を盗んだり壊す行為

    • (例)キックバックやリベートは本来会社が得る利益を盗む行為です
    • (例)感情をコントロールできず、壁を破壊するなど
  • 人を傷つける行為

    • (例)感情をコントロールできず、人を傷つける行為
    • (例)自分の言いたいことだけを言い、相手を思いやる気持ちがない
  • 個人情報や会社の機密情報を漏洩させる

    • (例)会社の経営に重大な影響を与える機密情報を漏洩させた場合、故意や過失にかかわらず解雇します
  • あるゆる種類のハラスメント行為

  • 人の意見を聞こうとしない態度

よくある誤解

  • プロジェクト型管理はもう不要となる

    • プロダクトにフォーカスすることは、プロジェクト型管理が不要になることとイコールではありません。
  • 計画や納期(期日)がなくなるので、自由にプロダクトを作ってよい

    • 会社全体のある程度(四半期〜数年)の計画や、特定の顧客の要望を受け入れることが最良だと判断した場合は、納期的なものは発生しうることがあります。 
    • 期日通りに作るという考え方はなくなりますが、それは期日通りでなくてもいいので、ミッション達成のため、会社の利益のために全力をつくして欲しいと言うことです。プロジェクト型でもプロダクト型でも、努力すること、全力を出すことは常に要求されます。プロダクト型だとそれはいっそう強く要求されることになると思います。すなわち、期日を守れなくても解雇されませんが、全力で努力しない人はこの会社に居場所がなくなるということです。
  • 「自由と責任」モデルでは、経営も管理も無くなる

    • ミッションを定め、プロジェクトの計画を立て、遂行できるように管理し、その評価をする。こうした経営や管理の仕事がなくなるわけではありません。それらの業務は従来は経営者や管理職に集中していましたが、それが社員一人一人の裁量と責任に分散されていきます。
  • 社員全員が平等で、意見が割れたときは民主的に多数決で決める

    • 誰でも自由に発言でき、意見を言うことができる組織を目指していますが、もちろん私たちは一人一人能力も経験も違います。経験の少ない人と多い人が同じ一票を持ち、その多数決で何かを決めることは、会社の利益に貢献するとは思えませんので、そのような決定方法は採用しません。また個人に支払われる報酬は、能力や経験に応じて違っていて当然であると考えます。

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